体質改善は「回り道」ではありません

妊活

焦るほど、いちど立ち止まって体を整えるのが近道です

こんにちは。漢方薬局の院長として、日々いろいろなご相談をお受けしています。

妊活のご相談で、いちばん多いお気持ちがこれです。

「早く結果を出したい」

「時間がない気がする」

「周りと比べて焦ってしまう」

この気持ち、本当によく分かります。だからこそ私は、最初にこうお伝えするようにしています。

焦って治療や予定を詰め込むより、まず“妊娠しやすい土台”を整える方が、結果として早く進むことが多い。

これは私の現場での実感です。

日本の漢方薬局の相談室で、女性が穏やかな表情でカウンセリングを受けている様子。木目調の温かみのあるインテリアと柔らかな照明。

1. 体は、今日変えても明日すぐには変わりません

体は毎日、食べたもの・眠り方・ストレスの受け方を材料にして、少しずつ作り変わっています。

ただし、今日の生活を変えたからといって、明日すぐに全部が変わるわけではありません。

たとえば、体の入れ替わりには目安があります。

胃腸の粘膜:2〜3日ほど

皮膚:約28日ほど

赤血球:約120日ほど

そして妊活でとても大事になるのが卵子です。

卵子は「よーいどん」で急に元気になるものではなく、成熟して排卵されるまでに約90日(3ヶ月)かかると言われています。

つまり私はこう考えています。

“今”の整え方が反映されるのは、早くて3ヶ月後。

逆に言えば、3ヶ月続けたら、体の中身は確実に変わってきます。

2. 「種」だけでなく、「畑」を整える考え方

不妊治療の技術は素晴らしいです。卵を育てたり、受精を助けたり、道を作ってくれます。

それでも私が漢方の立場でいつも意識するのは、こちらです。

種(受精卵)だけでなく、畑(子宮や血流・栄養・自律神経の状態)も整っているか。

畑にたとえると、こんな状態があるかもしれません。

冷えて固い土(=血流が足りない、冷えが強い)

肥料が少ない土(=栄養が不足している)

嵐が続く畑(=ストレスや睡眠不足で乱れている)

検査で「大きな異常はない」と言われても、妊娠に結びつきにくい方がいます。

そういう時、私は「数字に出にくい“畑の状態”」を丁寧に見直します。

日本の美しい農村風景。手入れされた豊かな畑の土に、柔らかい朝の光が差し込んでいるイメージ。生命力と土台の大切さを表現。

3. 「急がば回れ」が、結局いちばん負担が少ない

「1年も待てない」と思う方もいます。自然な感情です。

ただ、体が整わないまま頑張り続けると、心も体も消耗してしまいがちです。

私が大事だと思うのは、ここです。

まずは体の土台を作る

それから治療に臨む(または自然妊娠を目指す)

結果として“遠回りに見えて近道”になることがある

そして、この整える期間は、妊娠のためだけではありません。

妊娠後の赤ちゃんの育ち方や、産後の体力回復にもつながる「一生ものの貯金」になります。

今日からの「体質改善ログ」:大きく変えなくて大丈夫

私は、最初から完璧を目指さない方が続くと思っています。

できることを、淡々と積み上げる。それが強いです。

今日の3つ(できるものだけでOK)

タンパク質を毎食“手のひら分”(卵や豆腐でも十分)

湯船に浸かる(短くてもいい。体の芯を温める)

23時までに布団に入る(眠りはホルモンと自律神経の土台)

焦りが出てきた日は、私はこう言い換えます。

「急ぐ日ほど、体をいたわる日」

※通院中の方・治療中の方は、服薬や方針の変更は自己判断せず、主治医や薬剤師にご相談ください。漢方も体質や状況で合う・合わないがあります。